手元のスイッチを使って、ドライバーの意思でバッテリーをコントロールすることも可能だ。乗車中にバッテリーを充電したい時や、現時点のバッテリー残量を温存したい場合は、なんとエンジンで発電した電力を使って走ることができる。そう、アウトランダーのエンジンは「発電機」としての機能も持つ優れモノなのだ。
HVは走行時の状況に応じてエンジンとモーターが互いにアシストする仕組みが主流で、トヨタの「プリウスPHV」もこのタイプに当てはまる。では、なぜアウトランダーはモーターのみで走行できるのか。これを可能にしているのが、総電力量12kWhを誇る駆動バッテリーだ。プリウスPHVの4.4kWh(今秋発売予定の新型プリウスPHVでも8.8kWh)と比較してかなり大容量なのがわかる。マイナーチェンジで向上したモーター効率や燃料消費率も特筆すべきポイント。ハイブリッド燃料消費率は約20km/L、満充電からのEV走行距離は60kmを実現したという。状況に応じてEVとハイブリッドを使い分けることで、さらに走行距離を伸ばすことができる。これがPHVに「E」を加えてPHEV(=充電できる「電気自動車」)をアピールする理由だろう。
優れた走行パフォーマンス
アウトランダーのモーター走行はスピードを上げても静粛性が驚くほど高い。滑らかで力強い加速感やレスポンスの高さには正直驚いた。車重1580kgのミドルサイズSUVを軽々と動かす力があるのだ。エンジンをメインの動力源にして走っても、あまりノイズは聞こえない。吸音材や遮音材も向上しているので、モーター走行とエンジン走行が切り替わった時にさほど違和感がないのだ。
ハンドリングもピンポイントの鋭さはないが、ドライバーの要求にしっかりと応える操舵性がある。全高1710mmと背は高いが、バッテリーを車体中央部に搭載していて重心が低く操縦安定性も抜群。高速走行時も不安にさせるような仕草はみせない。サスペンション性能やボディ剛性もかなり高いレベルに仕上がっており、シートも程よいサポート力があるので、長時間ドライブも苦にならない。シートポジションが高いので視界は良好。ヘッドクリアランスやレッグスペースはかなり余裕があって、車内はすこぶる快適だ。
アウトランダー最大の魅力
さて、このクルマの最大の魅力は何と言っても「外出先で気軽に電気が使える」ということ。バッテリーの電気を使って様々なアウトドア・アクティビティが楽しめちゃうのだ。給電機能を持ったクルマはほかにもあるが、アウトランダーの最大出力は1500Wという大電力。ほかのクルマはオプションで100V電源を付けても、出力はせいぜい100W。これでは携帯電話やゲーム機を充電することしかできない。逆に1500Wもあれば、パソコンや電子レンジ、冷蔵庫やヘアドライヤーなどなんでも使うことができる。これまでのクルマの概念を変える大エネルギーだ。
だったら実際に大電力を使ってみよう!ということで、「電気しか使わないアウトドア」を試してみた。電気調理器具や食材、テーブルやチェアを積み込んで富士五湖へいざ出発。途中、談合坂SAで充電しようとしたが、2基ある充電スタンドはすでに日産リーフとi-MiEVが使っており、その後ろには初期型の2代目アウトランダーが待機中。この辺のインフラはまだまだ不便さを感じた。ちなみにアウトランダーは、30分の急速充電で約80%までバッテリーをチャージできる。
中央道をひたすら走って河口湖インターで下りたのだが、前日までのぽかぽか陽気がまるで嘘のように、パラパラと雪が降ってきた。これはまずい。広報車を予約した時は降雪など全く予想していなかったので、「スタッドレスですか? もう必要ないと思います」と三菱自動車さんのオファーを断っていたのだ。「雪が強くなって路面に積もり始めたら残念だけど帰ろう」-。スピードを落として慎重に目的地を目指した。