ヘルスケア

新型コロナの後遺症2000人調査へ 呼吸機能低下の事例受け (2/2ページ)

 「血栓のリスク」注意を

 症状が軽症であっても油断できない。日本血栓止血学会前理事で浜松医科大の浦野哲盟(てつめい)教授(医生理学)は「浴室で亡くなった人や旅行中に倒れた人のPCR検査をしたら、陽性反応が出たとの報告が国内外である。重篤な症状ではなかったのに突然死するといったケースは血栓が影響し、脳梗塞や心筋梗塞、肺血栓塞栓(そくせん)症を起こした可能性も考えられる」と指摘する。

 厚生労働省は5月に改訂した新型コロナの「診療の手引き」で、体内で血栓ができているかの指標となる「Dダイマー」の数値が正常値を超えていれば、抗凝固薬による血栓症予防療法の実施を推奨している。

 浦野氏は「患者の症状が軽くても、Dダイマー値が高ければ入院を考える必要がある」と説明。脳梗塞や心筋梗塞などの既往歴がある人は感染で血栓ができるリスクも高いといい、「患者は医師に、治療状況などの情報を知らせることも重要となる」と話している。(三宅陽子)

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