がん電話相談から

成人T細胞白血病リンパ腫が再発 (1/2ページ)

■対症療法で痛みなど緩和を

 Q 70代の父に代わって相談します。平成30年11月、父は仕事中に突然、体調が悪くなり、病院を受診。検査で、成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)急性型の診断でした。同年12月から、CHOP療法と抗体医薬ポテリジオを、31年1月からはポテリジオ単剤治療をそれぞれ受けました。しばらく症状はほぼ安定していました。しかし、令和2年6月に腹痛があり、病院では肩や首あたりのリンパの腫れを確認、再発と診断されました。抗がん剤治療としてHyper-CVADとMTX-Ara-C療法を行うものの、主治医からは「今後、治療方法はない」と言われ、ショックを受けました。

 A 急性型は血液中のATL細胞が急速に増えるタイプです。他にリンパ腫型、慢性型、くすぶり型があります。この病気に関係するLDH(乳酸脱水素酵素)の値はいかがですか。

 Q 今年6月下旬には400台だったのが、7月中旬には1700台に上がりました。

 A LDHの基準値は120~220とされます。これはかなりの高値だと思います。LDHは細胞内でブドウ糖がエネルギーに変わるときに働く酵素です。肝臓、心臓、腎臓などの異常のほか、この病気の際にも、LDHが血液中に流れ出るため、数値が高くなります。

 おなかがふくらんでいるとのことですが、これは腹水がたまっていると言われましたか?

 Q 腹水ではないと言われました。

 A そうならば、腫瘤が大きくなって腸管回りにも広がっている可能性があります。下痢を起こしやすいとのことですが、このことが影響していると思われます。

 Q 今後の治療方法はどうなりますか。

 A 年齢によって治療法が異なってきます。年齢が70代後半ですと、体力の問題や合併症などの影響により、強い抗がん剤を使えないことがあります。今回はCHOP療法(3種の抗がん剤とステロイド剤)とポテリジオによって、次にHyper-CVAD(4種の抗がん剤)とMTX-Ara-C(2種の抗がん剤)療法によって抑え込もうとしました。しかし、一時的に効果が出てもすぐに悪くなる状況にあると思います。

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