試乗スケッチ

廉価版なのに際立つ魅力 BMW318iは心躍るアーバンクルーズセダン (1/2ページ)

木下隆之
木下隆之

 BMW3シリーズに、ワクワクと心を躍らせる一台が加わった。といっても密かにデリバリーは始まっていた。だけど、巷で話題に上り出しジワジワと人気が高まり始めた気配の最新モデルである。

 とはいうものの、現行モデルの中では廉価版の立ち位置。BMW3シリーズは、古くからBMWユーザーの中心になっていたモデルであることに疑いはない。バブル経済期には「六本木のカローラ」と呼ばれ、裕福を謳歌(おうか)したユーザー層のハートを刺激した。どの時代を振り返っても、高級セダンの代名詞として君臨した。そんなBMWの主力車種なのに、廉価版が話題になるのにはワケがある。

 アーバンクルーズセダンの本領発揮

 まずはもちろんのこと、その価格だ。ボディが大きくなり車格感が劇的に増した3シリーズは、かつての5シリーズに匹敵するほどの高級車になった。それに比例して価格も高騰。最高額の「M340i xDRIVE」は、987万円というプライスタグが付けられている。ボディサイズの成長とともに高価なモデルになったのである。

 そこに登場したのがこの「318i」。そのシンブルな車名からも想像できるように、こう言ってよければ廉価版である。価格は489万円にとどまる。オプションをマシマシでリクエストしてしまえば600万円オーバーにはなってしまうものの、贅を尽くさなければコスパは優れている。注目の理由はその価格設定にあるのだ。

 そしてもうひとつは、直列4気筒2リッターエンジンを搭載していることだ。最高出力156ps、最大トルク250Nmは、ことさら声高に叫ぶほどの数値ではない。必要にして十分な動力性能だといえよう。注目なのは、直列4気筒にシフトしたことである。先代の318iは、直列3気筒1.5リッターターボだった。動力性能に不満はなかったが、3気筒ならではの振動や騒音が気になった。そんなネガティブなフィーリングが、直列4気筒2リッターに変わったことで霧散したのである。やはり高級車にふさわしいパワーユニットはマルチシリンダーに限る。

 実際に走らせると、アイドリング付近の低回転から素直に推進力が湧き上がるし、それが淀みなく伸びていく。高回転まで回して、スポーツ走行を楽しむタイプのパワーユニットではないが、街中を快適にクルーズするには相応しい。アーバンクルーズセダンとしての本領発揮である。

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