BMW流の高級感は健在
冒頭から「廉価版」と説明してきたことを今、後悔している。価格だけを指し示すのならば、318iは3シリーズの廉価版ということになるのだろうが、決してチープなモデルという意味ではない。BMW流の高級感は確かに備わっているのだ。
無駄に贅沢な装備を省略しているだけで、本質には一切の乱れはない。贅を極めなかったことで、むしろ魅力が際立った。
自動運転に近い快適性を実現した安全運転支援「ドライビング・アシスト・プラス」も備わっている。クルーズコントロールはもちろんのこと、車線逸脱警告や被害低減ブレーキなど、安全デバイスの装備に関しては一切の手抜かりはないのだ。
インターネットに常時接続する「コネクティッド」も充実。スマートフォン向けアプリの対応はもちろんのこと、周囲とつながることで安全安心が得られる。エンターテイメントも充実している。というように、現代に欠かせない装備を盛り込みながら、価格を抑えたのである。
もっと早く日本市場に導入してほしかった。そんな声は、僕だけではなさそうである。
【試乗スケッチ】は、レーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、今話題の興味深いクルマを紹介する試乗コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【クルマ三昧】はこちらからどうぞ。