コロナ その時、

(1)2019年12月8日~ 中国・武漢医師の「警鐘」届かず (2/2ページ)

 イタリアが非常事態宣言 2020/1/31

 中国が「原因不明のウイルス性肺炎」を公表してから1カ月後の1月31日、米国はようやく中国渡航歴のある外国人の入国を禁止し、イタリアは非常事態を宣言した。

 武漢在住の邦人を乗せたチャーター機第1便が帰国したのは1月29日だが、日本にとってはこの時点でも新型コロナは「外国の話」だった。日本政府が新型コロナの対策本部を設置したのは翌30日。国内での感染拡大を防ぐことよりも、入国者の把握や健康管理に重点が置かれており、首相は「水際対策などのフェーズをもう一段引き上げる必要がある」と語った。

 そのころ、武漢では最初に警鐘を鳴らした李文亮医師の体を新型コロナが死に向かって蝕(むしば)んでいた。香港では大型クルーズ船から下船した乗客の一人が発熱を訴え、後に感染が判明した。台湾から那覇、横浜に向かう航路にあったそのクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」は2月に入り、日本政府に新型コロナ感染の過酷な現実を突きつける。

【新型肺炎】 産経新聞は1月5日付で「原因不明のウイルス性肺炎」の発症が中国湖北省武漢市で相次いでいると報じ、当初は「新型肺炎」と表記してきた。世界保健機関(WHO)は2月11日、新型コロナウイルスの感染による病状を、「コロナウイルス病」の英語を略した「COVID」と感染が報告された2019年を組み合わせた「COVID-19」と名付けたと発表。弊紙は3月に表記を「新型コロナウイルス」に統一した。

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は日本や世界で人々の暮らしや生き方を大きく変えた。かつてない事態を経験した私たちが「コロナ前」の時代に戻れないとしても、教訓を得ることはできるはずだ。感染症との戦いを記録し、検証したい。

【6月から産経新聞で定期連載された記事をお送りします。以降、連載の肩書は当時です。次回(2)は明日12月29日に掲載します】

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