コロナ その時、

(7)2020年4月14日~4月21日 急転給付金、拠出停止に寄付…国内外でカネの攻防 (2/2ページ)

 政府は16日、ついに緊急事態宣言を全国に拡大した。18日には国内全体で新規感染者が1万人を突破し、病床は逼迫(ひっぱく)していった。埼玉県では21日、病床が見つかるまで自宅待機の措置がとられていた50代の男性が、軽症と判断されていたにもかかわらず自宅で死亡し、世間に衝撃を与えた。感染者や家族をはじめ医療従事者への心ない誹謗(ひぼう)中傷やデマも広がった。

 スポーツのほか夏以降のイベントも相次ぎ頓挫した。21日に、徳島市の夏の風物詩「阿波おどり」の中止が決定し、ドイツで毎年秋に開かれる世界最大のビール祭り「オクトーバーフェスト」の中止も決まった。

 内外で閉塞(へいそく)感が増す中、世界のトップアーティストが立ち上がった。「これは私たちから世界へのラブレターです」。レディー・ガガさんの呼び掛けで医療従事者に感謝するコンサートが18日開催され、ユーチューブなどで世界同時配信された。ガガさんやスティービー・ワンダーさんら100組以上のアーティストが自宅などから歌声を披露。視聴した約2300万人を勇気づけ、約138億円もの寄付金が集まった。

 この頃、医療従事者を励ますため毎週木曜に街のシンボルなどを青く照らす「ライト・イット・ブルー」運動が欧米を中心に広がっていた。日本でも16日、東京スカイツリーなどがライトアップされた。

 国内ではゴールデンウイークを目前に外出自粛ムードがいよいよ強まり、国民は本格的に「巣ごもり」生活に向き合うことになる。(次回(8)は明日1月4日に掲載します)

【アマビエ】 新型コロナウイルス感染拡大に伴って注目を集めたのがアマビエ。江戸時代後期に製作されたとされる印刷物に登場する妖怪で、伝承によると、「病がはやったら私の写し絵を人々に見せよ」と話したという。

 姿がユーモラスでコロナ禍の世情にマッチしたことなどから、2月ごろから交流サイト(SNS)で絵を投稿することが流行。菓子メーカーがアマビエをモチーフにした菓子を製造したほか、厚生労働省も感染拡大防止の啓発キャラクターに採用したことで、さらに人気が広がった。

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