コロナ その時、

(16)2020年7月1~9日 首都圏で感染再燃、世界感染も急拡大 (1/2ページ)

 新型コロナウイルス感染は、緊急事態宣言の発令もあり第1波はどうにか収束したかに見えた。だが、その後も、経済再開に向けて外出自粛要請が解除され、国内外で第2波の様相が強まる中、政府は難しいかじ取りを迫られた。

 コロナ禍と主な出来事を記録し、検証してきた連載「コロナ その時、」。首都圏での感染拡大が再燃した7月時点、そして今もなお続く感染症との戦いと共生への道のりを記録する。

 第2波か 連日の東京100人台

 20~30代が顕著/都県またぎ拡大

 7月に入り新型コロナウイルスの感染拡大が首都圏で再燃していた。20~30代の増加が顕著で、都県をまたいで感染が広がっているとの見方が強かった。

 東京都では7月2日、107人の感染を確認。緊急事態宣言が発令中の5月2日以来2カ月ぶりに3桁の大台に乗せ、「第2波か」との不安が高まった。小池百合子知事は2日の会見で「感染拡大 要警戒」とのメッセージを発したが、連日のように100人台が続いた。9日は過去最多の224人に膨れ上がり、国内感染者の6割を占めた。

 だが、政府と東京都は、再開したばかりの経済活動にブレーキをかける緊急事態宣言の再発令や休業要請に慎重だった。感染者の多くが無症状や軽症の若者で病床も確保されているのを理由とし、小池氏は「検査を増やせば感染者はおのずと増える」とみていた。

 ただ、若者から家庭内感染などを通じ、重症化リスクの高い高齢者への拡大が懸念されていた。都道府県境をまたいだ移動の自粛要請が前月に解除され、人の行き来が目に見えて活発になっていたからだ。

 「池袋は『窓口』のような位置付けだ。県内の感染リスクも高まった」。東京・池袋エリアと複数の鉄道路線でつながる埼玉県の大野元裕知事は3日、記者団に「東京由来」の感染者への警戒感を示した。

 5日投開票の都知事選はコロナ対策や東京五輪が争点となるも、各候補は街頭演説もままならないなか、現職の小池氏が圧勝。コロナ対策で3000億円規模の補正予算案を編成した。

 世界感染も急拡大

 このころ、世界最大の感染地、米国も第2波が襲っていた。春に感染爆発を経験した東部ニューヨーク州では収束していたが、南部のテキサス、フロリダ両州などが中心地になった。

 11月の大統領選を控えて社会活動の再開を急ぐトランプ政権は6日、米国の大学や高校の秋学期の授業がすべてオンラインで実施される場合、外国人留学生に査証(ビザ)発給を認めないと発表。のちに撤回したが、米国留学を希望する世界の学生に衝撃を与えた。

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