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日本で海外旅行気分 落ち着いたら行きたい異彩を放つ本格タイ寺院 (1/2ページ)

 海外旅行だけなく国内旅行にも制限がかかる中で迎え、緊急事態宣言も再発令された2021年だが、落ち着いた後には、近場で異国気分を満喫できる場所へ少人数で訪れてみてはどうだろうか。

 成田国際空港から11キロメートルほどの田畑が続く郊外にネイビーに近い濃い青色の屋根の建物が目に飛び込んでくる。周辺と不釣り合いなほど異彩を放つ建物へ向かうと「ワットパクナム日本別院」の看板が出迎えてくれる。

 ワットパクナム日本別院は成田市にあるバンコクに本院を持つ由緒正しいタイ寺院。日本別院は1998年に開院し、冒頭で紹介した特色ある本堂は2005年に竣工したものだ。同別院の歴史は、1967年に本院住職が来日したときに、在日タイ人たちの心の拠り所にと建設の計画が動き出したことに遡る。バンコクの本院はバンコク南西トンブリ地区にある瞑想の名刹として知られる。

 タイ文化発信地としての役割も

 寺院の敷地はおよそ2000坪あり、本堂の他、布薩堂、僧侶たちの修業や生活する僧坊、事務室、大食堂、一般宿泊棟、講演会やイベントが開かれる講堂、タイ風庭園、裏手には運動場もあり広々としている。

 講堂にはタイ大使館の臨時出張所やタイマッサージの学校なども定期的に開設され、タイ人やタイ文化発信地としての役割も担っている。

 在日タイ人は5万4809人(2019年・法務省)。そのうち東京、千葉、茨城、神奈川、埼玉の1都4県に約43パーセントのタイ人が集中している。ここはそんなタイの人たちの心の拠り所になっているようだ。

 訪れた日は11月の祝日、コロナ禍で人は少なく1時間ほどいて日本人は2組ほど。3、4人で、水戸ナンバーや大宮ナンバーの車で訪れていたタイ人たちと寺院内ですれ違った。

 敷地内は成田の郊外であることもあり静寂に包まれている。しかし、例年タイの正月である4月のソンクラーンなどのイベント時には庭園を中心に屋台が並びタイ料理が楽しめ活気づく。もちろん、日本人も参加して楽しむことができる。今年は開催されるか分からないが、そんな賑やかな光景がまったく想像できないほど静かな時間が流れていた。

 本堂の周りには木枠で覆われた白い象や仏様、動物などの石像が安置されていた。設置するためにタイから送られてきたものらしい。すでに十二支の動物をかたどった石像が配置されている。ワットパクナム日本別院はまだまだ進化の途中にありそうだ。

 また本堂近くには日本人向けという賽銭箱が設置された小堂があり、ここも本堂と一緒に参拝することができる。

 タイ流マナーで参拝を

 多くのタイ人は敬虔な仏教徒であることが知られている。タイ仏教は上座部仏教(南伝仏教)で、タイ人の人生に非常に深く関わる存在となっている。

 ワットパクナム日本別院を訪れたときのために、参拝(タンブン=徳を積む)マナーについて少々。

 タイ寺院では薄着はNG。ミニスカートやノースリーブ、短パンなど露出が大きな服はマナー違反とされる(タイだと衣類貸し出しサービスがある寺も)。本堂は土足厳禁。入り口で靴を脱ぐ。女性が僧侶に触れるのは禁忌なので絶対に控えたい。また、タイの寺院で手を合わせるときは立ってではなく、座って正座(頭の位置を下げる)で手を合わせるのがタイ流。

 せっかく訪れたなら、タイ流マナーで参拝してみたらよりタイ気分が味わえるのではないだろうか。もしタイ人参拝者がいたら所作をマネしたり、関係者がいたらぜひ尋ねてもらうのが確実だ。

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