試乗スケッチ

内燃機関の可能性を証明したBMW「M4」 HV・EVに抗うかのような武闘派 (1/2ページ)

木下隆之
木下隆之

 驚くほどの破壊力

 BMWの武闘派クーペ「M4」がフルモデルチェンジ、この春から日本導入が開始された。すでに、ベースとなるM440iやM420iは日本の道を走っている。走り派のハートをつかんで離さない真打ちは、やや遅れてステージに上がってきたことになる。   

 M4はM440iやM420iと基本的な骨格は共有する。新世代の「BMWの顔」となるビッグキドニーも同様だが、より一層存在感を増した。攻撃的な印象を与えるという点では、過激な走り味を信条とするM4の方が似合っているかもしれない。

 搭載するエンジンは直列6気筒ツインターボチャージャー。排気量は3リッター(L)であり、最高出力510ps/6250rpm、最大トルクは650Nm/2750-5500rpmに達する。驚くほどの破壊力を備えるのだ。

 ちなみに、M440iやM420iはツインパワーターボエンジンと表記されるが、それらはシングルターボである。特殊なバルブシステムや燃焼技術とターボを組み合わせていることでツインパワーターボ。M4は正真正銘2基のターボが組み込まれている。

 そのために、出力特性は柔軟である。市街地をゆるゆると流すような穏やかな速度域でも十分な低回転トルクが溢(あふ)れ出す。それでいて、回転の上昇に比例してパワーが嵩(かさ)上げされている。それはまるで、時代の主流であるハイブリッド自動車(HV)を否定するかのようだ。

 電気モーターの力を借りるハイブリッドは、低回転域トルクとレスポンスをモータートルクに頼っている。だがその代償に、高回転域の破壊力には乏しい。それを嘲笑うかの如き、2基のターボチャージャーで低回転域の力強さと高回転域の突進力を両立させているのだ。内燃機関にもまだ可能性があることを見せつけているかのようである。

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