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「土用の丑の日」2人に1人が「うなぎを食べる」 予算は?人気の食べ方は?

 夏ばてを防ぐため夏の「土用の丑の日」には2人に1人がうなぎを食べる─。そんな調査結果が、電子チラシサービス「Shufoo!」(シュフー)の利用者を対象に行ったアンケートで分かった。慣例行事として、特に西日本を中心に定着している傾向があり、希望としては国産、中でも鹿児島県産のうなぎを1,000~2,000円の予算範囲内で、「長焼き」もしくは「うな重」で味わいたいという消費者のニーズが浮かび上がった。

 調査は5月26日~6月8日、全国の「シュフーポイント」会員である男女3万7421人に実施し、インターネットを通じて回答を得た。

 調査結果によると、「土用の丑の日に食べるもの」で「うなぎ」を選択した人(複数回答)は49.4%だった一方、「特になし」と回答した人は45.8%と、大きく二分する格好となった。

 「うなぎを食べる」と回答した人の割合を都道府県別に見ると、「うなぎ街道」を有するなど古くから食文化としてうなぎが根付いている島根県が1位(59.4%)に。2位は山口県、3位に香川県と続き、トップ10全てを西日本の府県が独占した。

 1人あたりの購入予算は「1000~2000円」が54.3%と過半数を占め、ついで「1000円未満」が22.7%、「3000~4000円」の18.2%という順に。購入予定の「うなぎ料理」は「長焼き」が33.7%と、ポピュラーな「うな重」の33.6%を若干上回る結果になった。うな重よりもうなぎの量が少なめとされる「うな丼」は24.8%で3位に。細切りにしたうなぎをごはんと混ぜて食べる名古屋名物の「ひつまぶし」は7.6%と、「串焼き」の7.7%と肩を並べた。

 うなぎを購入・外食する際に重視するポイントは「日本産」が65.3%と1位で、次いで「価格」が44.1%だった。「産地のこだわり」と答えた17.9%の人に具体的な産地を尋ねたところ、1位は鹿児島の63.8%、次いで静岡県45.7%、愛知県36.5%という結果となった。

 今年の「土用の丑の日」は7月28日。うなぎを食べる場所は、94.5%が「自宅」と回答。新型コロナウイルス感染症拡大を防ぐ緊急事態宣言や蔓延(まんえん)防止等重点措置の制限がある場合とない場合でも、事前に予約して購入するとした人は、「制限あり」が16.0%、「制限なし」は15.6%と拮抗(きっこう)した。いずれにしても、うなぎを予約をして購入する人は少数派だった。

 春夏秋冬それぞれにある土用の丑の日のうち、なぜ夏の「土用の丑の日」にうなぎを食べる習慣が定着したのか。起源は諸説あるが、江戸時代中期の発明家、平賀源内の発案だったという説が有力だ。夏場の売り上げ不振に困ったうなぎ屋から相談を受けた源内が「本日、土用丑の日」というキャッチコピーを考案し、その張り紙をしたうなぎ屋が繁盛したので、他のうなぎ屋にも広がったといわれている。令和の現代でも、その習慣はしっかりと定着しているようだ。

 一方で、調査結果をまとめたONE COMPATH(東京都港区)は、「いわゆる『ハレの日消費』に出回る商品が余り、大量廃棄される食品ロスが社会問題になっている。課題解決には販売者側と消費者側の相互理解がカギを握る」としている。

 

SankeiBiz編集部
SankeiBiz編集部 SankeiBiz編集部員
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