試乗スケッチ

アウディA3がフルモデルチェンジ 待望のハイブリッドが日本上陸 (2/2ページ)

木下隆之
木下隆之

 発進を力強くサポートする48Vオルタネーター

 試乗車はA3のスポーツバック。直列3気筒1リッターを搭載する「30TFSI」。装備を充実させたアドバンスドグレードだ。

 話題のパワーユニットは2種類。直列3気筒であり、1リッターまでダウンサイジングしたユニットにはターボチャージャーが組み合わされる。もう一基は直列4気筒であり、排気量は1.5リッター、同様にターボチャージャーが合体される。両エンジンに組み込まれるハイブリッドシステムは「マイルドハイブリッド」と呼ばれるタイプ。48Vのオルタネーター形式である。プリウスやフィットのように、電気モーターの力で積極的に加速するストロングハイブリッドタイプではない。運転席の底に小さなバッテリーを納め、オルタネーターで回生発電をしながら、発進の初期にささやかにモーターアシストする。

 実際にドライブすると、赤信号からの発進など、アイドルストップからの最初の一歩が力強いのだ。48Vオルタネーターがエンジンを始動させるとともに、発進をアシストするからだ。

 内燃機関は回転の上昇に比例してパワーが積み重なる傾向にある。逆にいえば、回転初期の低回転域ではトルクが細い。ターボチャージャーも排気圧を介してはパワーを高める機構ゆえ、同様に回転初期にはトルクが出ない。ましてや、トルクの細い1リッターにダウンサイジングされている。そんな低回転域の欠点に、回転初期から最大トルクを発生する48Vオルタネーターが良い仕事をするのである。想像以上に加速が力強いのはそれが理由なのだ。

 走りも上質である。グレード構成からはともすれば廉価版のようにも思えるが、大衆車のそれではまったくない。試乗車は記念すべきファーストエディションであり、225/40R18インチのタイヤを履いていたこともあって、走りの軽快感は際立っていた。プレミアムモデルとしてはおそらく初となるマイルドハイブリッド搭載であり、しかも走りは軽快である。アウディ待望のA3は日本市場に受け入れられるに違いない。

木下隆之(きのした・たかゆき)
木下隆之(きのした・たかゆき) レーシングドライバー/自動車評論家
ブランドアドバイザー/ドライビングディレクター
東京都出身。明治学院大学卒業。出版社編集部勤務を経て独立。国内外のトップカテゴリーで優勝多数。スーパー耐久最多勝記録保持。ニュルブルクリンク24時間(ドイツ)日本人最高位、最多出場記録更新中。雑誌/Webで連載コラム多数。CM等のドライビングディレクター、イベントを企画するなどクリエイティブ業務多数。クルマ好きの青春を綴った「ジェイズな奴ら」(ネコ・バプリッシング)、経済書「豊田章男の人間力」(学研パブリッシング)等を上梓。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。

【試乗スケッチ】は、レーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、今話題の興味深いクルマを紹介する試乗コラムです。更新は原則隔週火曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【クルマ三昧】こちらからどうぞ。YouTubeの「木下隆之channel CARドロイド」も随時更新中です。

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