ヘルスケア

新型コロナ感染経路不明、増加の一途 リスク高い行動歴目立つ

 新型コロナウイルス感染症をめぐっては、専門家が感染拡大の指標の一つとして、接触歴不明者の数と増加比に注目している。感染経路の特定は、効果的な感染対策にもつながるが、接触歴不明者数は増加の一途をたどり、現在は1日当たり約2500人に上る。専門家は「経路の追えない潜在的な感染拡大が生じている」と危機感を示す。

 東京都では感染の広がりを反映するとともに、新たなクラスターが形成されている可能性を探るため、接触歴不明者の数と増加比を監視している。

 都内では、3回目の緊急事態宣言が蔓延(まんえん)防止等重点措置に移行した直後の6月23日時点の7日平均で、接触歴不明者は1日当たり260・6人。それまでの過去最多だった第3波の1192・4人(1月11日時点)を下回っていた。

 しかし、その後、不明者数は増加し、3週間後の7月14日時点では502人とほぼ倍増。さらに2週間後の同月28日時点では1246人に上った。

 8月に入ってからも不明者数は増加を続け、11日時点で2484・6人。感染力の強いインド由来の変異株「デルタ株」の拡大で新規感染者数が激増したことが背景にあるが、感染経路を追えない不明者数の急増は想定を超える感染拡大のリスクをはらみ、国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は「厳重な警戒が必要」と危機感を示す。

 都内の感染状況を分析する12日のモニタリング会議は「接触歴不明者の増加比が100%を超えることは感染拡大の指標となる」とコメント。不明者数が2カ月以上増え続け、増加比も100%を上回る水準で推移しているとして、徹底した人出の抑制と感染防止策を呼びかけている。

 新規感染者に占める感染経路不明者の割合も高い水準にあり、11日時点で63・1%。感染状況をみる国の指標では50%を超えると、感染状況のステージ3(感染者急増)か4(爆発的感染拡大)に該当する。

 また、国立国際医療研究センターの研究グループは5月22日から6月29日に同センターの病院に入院した患者のうち、感染経路が分かっていなかった22人について詳しく調査。64%にあたる14人に感染リスクの高い行動歴があったという。このうち、88%が飲食関連で、ほとんどがマスクを付けていなかったという。

 こうした行動を取った理由を聞き取ったところ、「外食が感染のリスクだとは知らなかった」「仕事の後なら職員同士でマスクなしで話しても大丈夫だろう」といった回答があったという。(【小池都知事】帰省「もうあきらめて」 コロナ感染拡大を災害級の危機と表現)

 センターでは調査結果から、「感染には飲食が多くの事例で関係していることが分かった」とした上で、「感染防止に対する意識付けや十分な知識が不足しており、今後解決すべき課題といえる」としている。(【首相表明】10月初旬に8割ワクチン接種、目標前倒し)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus