2012年の閉店を経て、川原ひろしは催眠術師や講演活動で活躍する一方、高円寺や渋谷などで『なんでんかんでん』店をプロデュースするなど、虎視眈々と再浮上をねらう。アーリーステージの味作りを支えた岩佐俊孝は1995年に独立し、下井草にラーメン店『御天』をオープン。初期『なんでんかんでん』で創り上げた濃厚・クサ旨の博多長浜ラーメンを提供し、熱い支持を集めている。『土佐っ子』の脂も消えず。『じょっぱりラーメン』(鴻巣市)など、背脂チャッチャ系」の灯を守り続ける出身者が意気軒昂だ。
モータリゼーションの開花と団塊ジュニア世代の参入で熱を帯び、列島中が刮目するほどの煮えたぎりを見せた環七ラーメン戦争--。その余熱と残り香は、今なおラーメン業界の随所に漂っている。
【ラーメンとニッポン経済】ラーメンエディターの佐々木正孝氏が、いまや国民食ともいえる「ラーメン」を通して、戦後日本経済の歩みを振り返ります。更新は原則、隔週金曜日です。アーカイブはこちら