ラーメンとニッポン経済

1987-「環七ラーメン戦争」 九州ド豚骨、濃度とスメルで東都に進出! (5/5ページ)

佐々木正孝
佐々木正孝

 2012年の閉店を経て、川原ひろしは催眠術師や講演活動で活躍する一方、高円寺や渋谷などで『なんでんかんでん』店をプロデュースするなど、虎視眈々と再浮上をねらう。アーリーステージの味作りを支えた岩佐俊孝は1995年に独立し、下井草にラーメン店『御天』をオープン。初期『なんでんかんでん』で創り上げた濃厚・クサ旨の博多長浜ラーメンを提供し、熱い支持を集めている。『土佐っ子』の脂も消えず。『じょっぱりラーメン』(鴻巣市)など、背脂チャッチャ系」の灯を守り続ける出身者が意気軒昂だ。

 モータリゼーションの開花と団塊ジュニア世代の参入で熱を帯び、列島中が刮目するほどの煮えたぎりを見せた環七ラーメン戦争--。その余熱と残り香は、今なおラーメン業界の随所に漂っている。

佐々木正孝(ささき・まさたか)
佐々木正孝(ささき・まさたか) ラーメンエディター、有限会社キッズファクトリー代表
ラーメン、フードに関わる幅広いコンテンツを制作。『石神秀幸ラーメンSELECTION』(双葉社)、『業界最高権威 TRY認定 ラーメン大賞』(講談社)、『ラーメン最強うんちく 石神秀幸』(晋遊舎)など多くのラーメン本を編集。執筆では『中華そばNEO:進化する醤油ラーメンの表現と技術』(柴田書店)等に参画。

【ラーメンとニッポン経済】ラーメンエディターの佐々木正孝氏が、いまや国民食ともいえる「ラーメン」を通して、戦後日本経済の歩みを振り返ります。更新は原則、隔週金曜日です。アーカイブはこちら

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