試乗スケッチ

10年の時を経て…出力2倍のバッテリーで生まれ変わった新型「アクア」の実力 (1/2ページ)

木下隆之
木下隆之

 トヨタ自動車のハイブリッド(HEV)専用車「アクア」が誕生したのが2011年。グローバルで187万台を販売し、ヒット作となった。ハイブリッドコンパクトカーとしてそれほどの高い人気を得てきたにもかかわらず、10年間の沈黙を続けた。一般的なモデルサイクルは7年前後。新型の登場を待ち望んでいた人も少なくないだろう。

 「バイポーラ型ニッケル水素電池」を世界初搭載

 トヨタが掲げるメッセージは、「ハイブリッドの新しい走りの創造」だという。その通り、新型アクアで特に印象的なのは“EV的”な走行時間が増えたことだ。搭載するエンジンは直列3気筒1.5リッターユニットであり、トヨタの伝家の宝刀、新世代ハイブリッドシステム「THS II」専用車となる。

 エンジン動力とバッテリーパワーを巧みに連携させながら走るスタイルだが、従来モデルでは、走行中はエンジンが起動している時間が長く、またバッテリーの電力残量が低下することでエンジン起動を迫られることもしばしばだった。その解決策の一つが、新しく開発した「バイポーラ型ニッケル水素電池」の採用である。従来モデルに搭載していたニッケル水素に対して、バッテリー出力は約2倍だという。低回転域はEVらしく力強く、スムースな加速が狙い。走行パターンの大幅な違いはないが、モーターパワー特有の力強さは増したように感じた。

 ドライブモードを「POWER+モード」にセットすれば、さらにEV風の力強さが増す。そればかりか、アクセルオフによる減速G(ガソリン車のエンジンブレーキに相当)が強くなる。アクセルペダルのオンオフだけで加減速をコントロールする、いわば「ワンペダル感覚」が強くなるという、最近のEVモデルが好んで採用するシステムを新たに組み込んだのも特徴だ。

 それによって、アクセルペダルとブレーキペダルの踏み替え頻度が少なくなる。「POWER+モード」という名称から、スポーティな走りのためのシステムであるように錯覚するが、それだけではなく、郊外でのユルユルとした走行パターンでも効果的だった。

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