受験指導の現場から

今夏、大違いな過ごし方をした2人 最終学歴を左右する日常 (2/2ページ)

吉田克己
吉田克己

中学生Bの夏休み なりたい職業を見据えて相談

 他方、真逆とも言える例もある。GW明けから個別指導を始めた私立の中2生なのだが、指導に先立つ面談で両親の言ったことが揮っている。

 「このまま上の大学に行かせることもできるんですけど、いざ本人が『ここに行きたい』と思ったときに、手遅れに(時間が足りなく)ならないように、今から準備を進めたい」と。

 ちなみに、この中2生が通う私立中学は首都圏では名の知れた大学の附属校で、大学には理工学部はあるが医薬系はない。父親の仕事柄もあって、母親は医薬系を筆頭に理数系学部を念頭に置いていることは間違いない様子であった。

 幸いこの生徒は数学が得意で(なぜか物理は苦手)、その後、1学期末の定期テストで数学α、数学βとも満点をとってくれた。

 翻って、大学入試で外部へ出ることになった場合、科目選択において社会は必要ない可能性が高い反面、小論文(作文)が必要となる可能性がある。理科も物理・化学・生物のうちの2科目ではなくて1科目(化学)だけでよい可能性はある。つまり、現時点で絶対に外せないのは英語と数学(Ⅰ・A、Ⅱ・B)、今から意識しておきたいのが理科(物理、化学、生物)と小論文である。

 ともあれ、あれこれ相談を進めた結果、好きな(得意な)科目を先行させる意味でも、数Ⅰ・Aを夏休みから始めることにした(一般的に私立中学では、中学範囲の数学は中2のうちに終えるカリキュラムになっていることが多いので、そこからさらに1年ほど先行させることになる)。

 中期的な計画としては、中2のうちに数Ⅰ・Aの、中3のうちに数Ⅱ・Bの標準レベルを終わらせ、高1の冬までに数Ⅲの基礎レベルをやってみて、その時点で進級するクラスや志望学部・学科を考えよう、という目論見である。

受験後は「日常」で差がつく

 中学入試にせよ、高校入試にせよ、差が付くのは合否の瞬間ではなく、こういうその後の日常にあることを肝に銘じたい。

京都大学工学部卒。株式会社リクルートを経て2002年3月に独立。産業能率大学通信講座「『週刊ダイヤモンド』でビジネストレンドを読む」(小論文)講師、近畿大学工学部非常勤講師。日頃は小~高校生の受験指導(理数系科目)に携わっている。「ダイヤモンド・オンライン」でも記事の企画編集・執筆に携わるほか、各種活字メディアの編集・制作ディレクターを務める。編・著書に『三国志で学ぶランチェスターの法則』『シェールガス革命とは何か』『元素変換現代版<錬金術>のフロンティア』ほか。

受験指導の現場から】は、吉田克己さんが日々受験を志す生徒に接している現場実感に照らし、教育に関する様々な情報をお届けする連載コラムです。受験生予備軍をもつ家庭を応援します。更新は原則第1水曜日。アーカイブはこちら

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