宇宙開発のボラティリティ

激増する各国ロケット打ち上げ回数 あまり報道されない失敗・墜落も (2/3ページ)

鈴木喜生
鈴木喜生

▼2021年8月12日 インド宇宙研究機関「GSLV MK-II」

 インド宇宙研究機関(ISRO)がサティシュ・ダワン宇宙センターから打ち上げたロケット「GSLV MK-II」は、第三段ロケットのエンジンへの点火に失敗。制御不能に陥り、同国の地球観測衛星「EOS-03」もろともインド洋に墜落した。

 このロケットは三段式の液体燃料ロケットで、全長50.9m。静止軌道に約2.3トンのペイロード(荷物)を投入できるインドの主力ロケットのひとつだ。今回が同モデル14回目の打ち上げだったが、2010年12月の7号機に次いで6回目の失敗となった。

▼2021年5月15日 ロケット・ラボ社「エレクトロン」

 アメリカとニュージーランドの企業であるロケット・ラボ社が開発したロケット「エレクトロン」は、人工衛星打ち上げ用の小型液体燃料ロケットであり、全長17m。低軌道へ400kg、太陽同期軌道へ約100kgのペイロードを投入することができる。1回の打ち上げ費用は490万ドル(約5億4000万円)とされ、2021年度にはすでに4機、トータル8機の打ち上げが予定されている。

 問題となったのは、今年3機目となる20号。ニュージーランドにある専用射場から打ち上げ後、2段エンジンの点火直後にエンジンが緊急停止。軌道投入に失敗した。このロケットは一部が再利用型であり、1段目の洋上回収には成功している。

▼2020年11月16日 アリアンスペース社「ヴェガロケット」

 欧州宇宙機構(ESA)が開発したロケットの商用打ち上げは、アリアンスペース社(本社フランス)が請け負っている。このヴェガもESAによるロケットであり、全長は30m。南アメリカにあるフランス領ギアナにあるギアナ宇宙センターから打ち上げられる。

 人工衛星専用の比較的小型なロケットでありながら4段式であり、1段から3段は個体燃料ロケット、4段にだけウクライナ製の液体燃料エンジン「RD-843」を搭載している。しかし、極軌道へ向けて打ち上げられてから約8分後、その4段目のエンジンが点火された直後から予定軌道から逸脱していることが判明。そのまま軌道投入失敗が確認された。

 このとき打ち上げられたヴェガは17号機だったが、前年2019年7月にも15号の打ち上げに失敗していた。この軌道投入失敗によって、スペインの地球観測衛星「SEOSAT-Ingenio」とフランスの科学衛星「TARANIS」が失われた。

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