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UFOに託す地域の未来、福島市で“研究所”開設の舞台裏 (1/2ページ)

 【深層リポート】福島発

 今年6月、福島市で「国際未確認飛行物体研究所」(通称・UFO研究所)なるものがオープンした。世界中のUFO情報を集め調査・研究を行うとの触れ込みだが、官民が一体となって運営し地域の活性化を図るのが狙い。関係者が大真面目に、地域の命運をUFOに託したその理由は-。

 30年続けた先に

 UFO研究所は、同市飯野地区にある公共施設「UFOふれあい館」に併設された。施設がある一帯はUFOの目撃例が多く、福島市と合併する前の旧飯野町は約30年前から「UFOの里」として町おこしを行っていた。UFO情報や資料を展示するUFOふれあい館は平成4年にオープン。以来、一定の利用者を集めていた。

 近年、飯野地区で人口減少や高齢化が進んだことから「いいの街なか活性化委員会」を官民で結成。協議を重ね今年2月頃「UFOの里を聖地化し交流人口を増やす」ことが決まった。プロジェクト仕掛け人の一人で福島市商工観光部の市村尊広部長(53)は「地域を盛り上げる独自のものを探した結果がUFOだった」と振り返る。

 再び地域活性化の切り札になったUFO。市村部長は「よく30年も続けてきた」と地域の情熱に感心する一方で、「UFOは外国人も興味を示す」と可能性を感じた。行き着いた具体策が「研究所開設」。インバウンドも意識し名前に「国際」を付けた。

 情報提供150件

 タイミングよく「米国防総省がUFOの存在を認める報告書を6月に公開」の情報が入った。開所式は6月24日の「UFOの日」に設定。UFOファンなどに人気の超常現象などを扱う月刊誌「ムー」の三上丈晴編集長に所長就任を打診し承諾も得た。話題作りが奏功し、UFOふれあい館で行われた開所式には17社約50人の報道陣が集まった。

 UFO研究所に専任スタッフや専用施設などの実態はないが、活性化委のメンバーらがインターネットなどを駆使して情報発信。運営費の一部は有料会員を募り賄う。会員は地球系、太陽系、銀河系の3種あり、年会費は1万~3万円。約3カ月で120人以上の応募があった。

 UFOの情報提供も呼びかけ、約3カ月で約150件が寄せられた。ロシアやイギリス、台湾など海外の情報も届いている。プロジェクトチームリーダーの阿曽隆一さん(51)は「予想以上の反響」と驚き「写真や動画、イギリスの研究家からはUFOの本も届いた」という。今後は集まった情報を提供者の同意を得て公表する計画だ。

 広がる期待

 UFO研究所が注目を集めた結果、UFOふれあい館の入場者も急増。週末の来館者は200人近くに上り、UFO研究所設立前の2倍程度になった。

 UFOふれあい館は昭和末期の「ふるさと創生事業」の交付金などで造られた。竹下内閣が地域振興で全国の市町村に1億円ずつ配り注目された政策だが「かつては無駄遣いの例としてマスコミにたたかれていた」(市村部長)という。

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