ドローではあったものの、サッカー日本代表は、6月4日に行われたオーストラリア戦で来年ブラジルで開催されるワールドカップへの出場を決めた。翌日のニュースは、日本中が歓喜に沸いた様子を映し出していた。
対オーストラリア戦といえば、苦い思い出がある。2006年のドイツワールドカップ、グループリーグで日本がオーストラリアと戦った日は、ちょうど私の誕生日だった。「誕生会を開いてやる」と言われ、喜々として指定された店に行ってみると、会場のムードは誕生会ではなく、観戦一色に。参加者は主賓のはずの私には目もくれず、テレビに熱視線を向けていた。
途中まではよかった。中村俊輔の先制ゴールでそのまま勝利するのではないかというムード。しかし後半、逆転されてしまった。「誕生会」の参加者は落胆し、店員さんが運んできてくれたケーキすら食べられる様子ではなかった。これまでで一番悲しい誕生日だったといえるかもしれない。