だが、英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)によると、そんなノキアにファーウェイの消費者ビジネスグループの責任者、リチャード・ユー氏は「われわれはこの種の買収案件を検討している。両社が一体化すれば何らかの相乗効果を得られるが、問題はノキアが前向きかどうかだ。しかしわれわれはどんな提案でも受け入れる」と述べ、買収に意欲を見せた。
しかし、ファーウェイに関しては各国で中国当局による盗聴疑惑が指摘されており、米下院情報特別委員会は昨年、報告書で、安全保障上の観点からファーウェイ製品を政府の通信システムから外すよう求めた。ノキアの技術がファーウェイに吸収されれば、新たな問題の火種にもなりかねない。
ノキアの「ルミア」シリーズ発売目前の昨年8月31日、ロイター通信は「ノキアはウィンドウズに全てを懸けたが、もしも失敗すれば会社の身売りや主要資産の切り売りが現実化する」とのアナリストの分析を報じた。それから10カ月がたち、ノキアの憂鬱は深まるばかりだ。(SANKEI EXPRESS)