それにあわせて深刻化しているのが、ゴミだけでなく、登山者増に伴う流土などへの対応や安全対策だ。これについては、今回の登録認定とは別に、世界遺産への登録の可否を調査するユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議」(イコモス)から16年2月1日までに「保全状況報告書」を提出するよう求められている。ドイツのドレスデン・エルベ渓谷が、景観を損ねる橋の建設を理由にわずか5年で世界遺産登録を抹消された例もある。日本は本気で環境保全などに取り組まなければならないだろう。
それには、自然遺産に登録されている北海道・知床半島で行われているように、入山制限と入山料徴収をセットで行うことである。登山客や、観光客増大に期待している地元から不満の声が出るかもしれないが、長い目でみれば、入山制限をした方が自然保護と観光振興を両立できる。日本だけでなく、世界の至宝となった富士山。その意味をどこまで理解していくかが今後問われてくる。(気仙英郎/SANKEI EXPRESS)