女優の遠藤久美子(35)が「樹海のふたり」(山口秀矢監督)で、自閉症の息子を持つ母親の役を好演している。「何度か母親を演じたことはありますが、障害を持つ子の親は初めての経験でした。壮絶な人生の中にある喜びや幸せを感じ取ってもらえればうれしい」と期待を語った。
息子役の演技に脱帽
自殺志願者を取材したテレビディレクターたちの体験談をベースに、ドキュメンタリー畑出身の山口監督が脚本を執筆した。主演はお笑いコンビ、インパルスの2人。落ちこぼれテレビディレクターの竹内(板倉俊之)と阿部(堤下敦)は、視聴率をとるため富士山麓の樹海で自殺しようとする人々を追う。番組は好評を得るが、2人はやがて視聴率と良心との板挟みになり…。
遠藤の役どころは竹内の妻。独身で子供もない遠藤にはイメージしにくい役だったが、ドキュメンタリーを得意とする山口監督は「そのままでいてください」と助け舟を出した。演技する空間で流れる空気を大切にしてほしいから、変に飾ってほしくなかったという。