プーチン大統領は、スノーデン容疑者に受け入れ不能な条件をあえて提示したのだ。6月28日付のロシア紙「トルード(労働)」電子版に掲載された記事が、プーチン大統領の心象風景を見事に表現している。
<スノーデンたちと戦っている連中は「全員、子豚の体毛を刈っているようなものだ。ブヒブヒたくさん鳴くが、刈り取られる毛は少ない」と述べた。こういう表現で、プーチンは人権侵害(こういうことに米国人は50年も懸念を表明している)や人権活動家に対する圧迫という口実でロシアを締め付けてきた米国に対して意趣返しをしているのだ。「アメリカ小屋から外にゴミがでてきたら、家主がすぐに常軌を逸してしまった…」>
プーチン大統領は、スノーデン容疑者を「子豚」とか「ゴミ」と呼んでいる。CIAの容疑者拘束作戦が、子豚の体毛刈りであると揶揄(やゆ)し、インテリジェンス機関からスノーデン容疑者のようなゴミが出てきただけで、何でそんなにうろたえるんだと旧KGB将校の視座でプーチン大統領は、この問題を見ている。
(作家、元外務省主任分析官 佐藤優/SANKEI EXPRESS)