現場作業員に「感謝」
そんな過酷な現場に向かっていく部下や協力会社の作業員には「感謝」を超えた特別な思いがあった。
「放射能がある現場に何回も行ってくれた同僚たちがいる。私は見てただけ。部下は地獄の中の菩薩だった」と、ビデオ映像で語っている。
事故から約2週間、不眠不休で陣頭指揮にあたっていた吉田氏。休養で福島第1原発を離れ東京にいったん戻る際、現場に残り作業にあたる所員に、目に涙を浮かべながらこう言って去っていくシーンがテレビ会議映像に残されていた。
「私は肉体的にもかなりガタがきている状態になっています。非常に忸怩(じくじ)たる思いですけれども、またここに戻ってきて、皆さんと一緒に仕事をしたいと思います。本当に申し訳ないんだけど…」
吉田氏と一緒に福島第1原発で勤務したある同僚は「とにかく部下思いの“親分”。状況を冷静に把握し、何でも相談できる上司だった」と悼んだ。(SANKEI EXPRESS)