少ない自発的提供者
金銭授受の背景には、ドナーの家族に礼金を渡さないと、慢性的に不足する臓器を確保できないという事情があるとみられる。
中国では急激な高齢化の進展で臓器移植の需要が高まる一方、輪廻転生を信じ死後も完全な体を保つ必要があると考える人が多いため、自発的な臓器提供者は極めて限られている。
在外華人向け米日刊紙エポック・タイムズ(大紀元)電子版によると、中国では毎年、150万人の患者が臓器移植を希望するものの、実際に提供を受けられるのは100分の1にも満たない1万3000人にとどまる。
その臓器も大半が死刑囚からの提供とされる。国際的な批判を受け、中国衛生省は昨年、死刑囚からの提供を停止する方針を打ち出したが、今後1~2年は続けるとしている。