しかし、ジェーンさんは医師の提案を拒否。博士は気管を切開する緊急手術を受けた。「手術は私から会話能力を奪ったが、薬が徐々に効いてきた」(博士)ことで回復に向かった。手術を受けた当時の心境について、博士は「その頃、私はちょうど『ホーキング、宇宙を語る』を執筆中で、それを書き上げたかったんだ」と語っている。
ところが、ジェーンさんは、この著書が大ベストセラーを記録したため「私たち夫婦は富と名声の波に流されてしまった。得たものが多過ぎて、私たちは以前のように幸せではなくなった」と後悔するようになった。結局、約25年間続いたジェーンさんとの夫婦生活は破綻し、2人は91年に離婚した。
恋多き男
95年、博士は担当看護師だったエレイン・メイソンさんと「情熱的で激しい」恋愛の末に再婚したが、2006年に「彼女からの身体的虐待」を理由に離婚した。映画のなかで博士はジェーンさんへの友情が再燃していると明かすなど“恋多き男”という横顔もみせている。