脂肪組織には、皮下脂肪や内臓脂肪などの白色脂肪と、肩甲骨や背骨の周りにある褐色脂肪があります。それぞれの組織で働く遺伝子を調査した報告があります。白色脂肪は夕方4時ごろ、褐色脂肪は朝に燃焼系の遺伝子が活発に働いていました。白色脂肪はエネルギーの貯蔵庫なので、エネルギー切れになる夕方に、褐色脂肪細胞は体温維持装置なので、目覚めの体温上昇のために朝方に活性化するのではないかと私は考えています。
夕食後ごろんとなった旦那さんに奥さんが、「食べてすぐ寝ると牛になりますよ」と注意するドラマがありました。夜間は、翌日の活動に備えるために昼間食べた食事のエネルギーを蓄積するためのホルモンやメカニズムがたくさん働きはじめます。そんな時に、大量のエネルギーを摂取して、運動もせず寝てしまえば肥満まっしぐらです。
成長ホルモンは、運動するときや夜間から早朝に多く分泌されます。昼間元気に遊び、たくさん食べて「寝る子は育つ」とは、昔の日本人の観察眼や文化に驚かされます。グッスリ寝て早起きすることにしましょう。(秋葉原駅クリニック院長 大和田潔/SANKEI EXPRESS)