【安倍政権考】
民主党内にくすぶる代表選実施論という名の「海江田(万里代表)降ろし」、みんなの党の渡辺喜美代表による江田憲司幹事長更迭…。野党の混乱劇で、安倍晋三首相の政権基盤は確実に強まっていくに違いない。みんなの党の場合、野党再編に積極的な江田氏が幹事長から外れたことで、再編に慎重な渡辺氏の“独裁色”が強まるのは必至。再編の行方はより不透明さを増し、非自民の「受け皿」作りは遅々として進まない可能性が高い。
「待ち」貫く海江田氏
まずはそれぞれの体たらくを振り返ってみたい。
7月26日に開いた民主党両院議員総会では「代表選こそ最大の総括」「新しいリーダーが立ち上がらないといけない」などと海江田代表にとって厳しい意見が続出。連日開いた都道府県連の声を聞くブロックごとの幹事長・選挙責任者会議でも代表選実施論が相次いだ。
党内から「海江田さんは危機感が足りない」との批判が公然と漏れ、ネアカの海江田氏も最近では「さすがにこたえる」と周囲に語る。それでも辞任する気はなく、その粘り腰はあっぱれとしか言いようがない。ただ、それが「海江田降ろし」を強めさせる要因にもなり、挙党態勢を構築するどころではない。