レモンの木は寒さに弱く、マイナス5度で枯れてしまいます。枝にある棘(とげ)が葉や実を傷つけると、黒い斑点が出る病気にかかります。そのため台風などの影響が少なく海に囲まれた温暖な瀬戸内の島々、しかも、日当たりのよい段々畑はレモンにとって最高の環境といえます。極力農薬散布を控え、腐敗防止剤だけでなくワックスも使用しない「広島レモン」は、皮ごと丸々使っても安心。露地のレモンは10月から4月までが収穫時期。10月、11月はグリーンレモン、12月になると葉緑素が抜けてなじみのあるレモン色に変わっていきます。そして7月から9月にかけては「エメラルドグリーンの宝石」ともいわれるハウスレモン。「広島レモン」は、1年間を通して出荷されています。店頭で緑のレモンを見かけたら、広島の新鮮、安心なレモンの証拠ということです。
下岡次長の所属するJA広島果実連では、農家への生産指導から販売まで幅広い業務をこなしています。小さな島での農業には後継者の悩みが付き物ですが、生産量がアップし、安定した収入が得られれば、若者の定住にもつながっていきます。ここ数年は県を挙げて広島果実のPR活動に尽力中。ご当地ブームの波に乗り、まずは「広島レモン」の知名度アップ! 食品、お菓子に始まる新アイテムの開発にも余念がありません。