≪労組依存・乏しい国政経験 地方議員の不満拡大≫
社民党は吉田忠智党首の下で再建を目指す。自治労出身で「調整型」を自任する吉田氏には、労働組合依存からの脱却など大胆な党改革は難しいとの見方が根強い。国会議員主導の党運営のままでは、初の選挙戦を実現し「リニューアル」を期待した石川大我氏ら若い地方党員らの不満が拡大するのは間違いない。国政経験が約3年と乏しい新党首の前途は多難だ。
今回の党首選も無投票を見込んでいた国会議員側にとって、石川氏の立候補は想定外の「地方決起」だった。投票結果を見ると、全体では吉田氏が石川氏の4倍超の票を獲得した。しかし石川県や滋賀県では石川氏の得票が上回り、石川氏を推薦した東京都でも吉田氏の320票に対し240票にまで追い上げた。党運営への不満は必ずしも小さくない。
それだけに、吉田氏は2015年春の統一地方選で成果を迫られる。党財政が苦しさを増す中、地方組織の活動は沈滞気味だ。党首の「発信力」も福島瑞穂前党首に比べると期待できないのが実情。又市征治幹事長ら「ベテラン」が事実上の主導権を握るようであれば、求心力の低下を招くのは確実だ。