しかし、すでにビザは有効期限が切れ不法滞在状態にある。このため移民当局に難民としての亡命を申請したが、却下されたことから、今月(10月)16日にオークランド高裁に不服を申し立てた。
移民当局は、海面上昇による深刻な状況は認めたものの、差し迫った生命の危機や迫害の恐れはないとし、難民の要件を満たしていないと判断。「他の人たちが海面上昇の危機回避に努力しているのに、彼の申請だけを認めるわけにはいかない」としている。
これに対し、男性の弁護士は10月16日の弁論で「難民の扱いを定めたニュージーランドの法律は、第二次大戦末期につくられた時代遅れのもので、今日の事情に即していない」と主張。「(キリバスでは)気候変動の影響で、生活できなくなる家族が増えている」と訴えた。
国連条約も想定外
島々を合わせて約730平方キロ、人口10万人のキリバスは、海抜が平均2メートルしかない。この20年で海面が約8センチ上昇しており、アノテ・トン大統領(61)は先ごろ、2045年に32の環礁が海の中に姿を消し、50年には首都タラワがある島も沈むとの予測を示した。