屈することなく活動継続
恐らくこのオランダ外交官襲撃事件は迷宮入りする。それと同時に、今後、オランダ以外の外交官に対しても、ロシア当局からグリーンピースやLGBTを支援していると見なされる行動をとれば、同様の「警告」が与えられるであろう。ただ、今回の襲撃のような警告を受けてもオランダ外交官はロシアの反体制派支援を止めないと筆者は見ている。それが外交官としての仕事だからだ。
北方領土問題に関してモスクワの日本大使館員がロビー活動を展開する際も同様の危険がある。しかし、こういうときにおびえていては、ロシアの秘密警察からなめられるだけだ。命までもっていかれることはないので、こういうときにこそ積極的に日本の国益に資するロビー活動を展開してほしい。(作家、元外務省主任分析官 佐藤優/SANKEI EXPRESS)