対印関係は冷却化
中国は近年、中東などに至る原油の輸送路にあるインド洋周辺国との関係を重視。その国々をつないで「真珠の首飾り」戦略ともいわれる。
歴史的、地政学的に地域の大国インドの強い影響下にあるモルディブに対しては、国レベルで「猛アプローチ」(モルディブの地元記者)をかけている。
11年にはマレに中国大使館を設立。中国、モルディブ両政府は昨年12月、軍事協力を強化する協定に署名し、今年6~7月には中国海軍の病院船がマレや離島で住民の診察を行った。
一方で、モルディブ政府は昨年11月にマレ国際空港の運営を委託していたインド企業との契約を破棄し、両国の関係はその後冷却化している。
インド洋地域の情勢に詳しい海洋政策研究財団の長尾賢研究員は「シーレーン上の拠点を確保したい中国と、安定した観光収入源を得たいモルディブの関係は、さらに強まることが予想される」と指摘する。(マレ 共同/SANKEI EXPRESS)