眼光鋭くを心がけ
ウンハウワーは、どこか暗い影がさす強いまなざしが印象的だ。オゾン監督が「目に力があるから」と起用の意図を説明するように、他人の家庭をのぞき見して皮肉たっぷりの小説に仕立て上げていくという物語を演出する上でも、目力は大事な要素だったという。ウンハウワーも「作品はクロードが頭の中で小説の展開を次々と考えていく物語だから、クロードがぼうっとしているような表情をしてはだめ。僕はいつも眼光鋭くするよう心がけましたね」と言葉を継いだ。
撮影時にウンハウワーが21歳だったということにも驚かされる。ウンハウワー自身はこう推し量る。「僕はとても若くみえるでしょ? でもオゾン監督にすれば、クロードの早熟な部分が欲しかったのでしょう。少し年齢が高めの役者が演じた方がクロードにぴったりだと考えたのではないでしょうか」
本当に教師と生徒のよう
一方、オゾン監督は、スクリーンに映し出されるルキーニとウンハウワーの姿が不自然に見えていないかという点を強く意識していた。フランスではルキーニに教師のイメージを抱く映画ファンが多いことを指摘したうえで、「役者経験が浅いエルンストとのやり取りを見ていると、僕には、彼らの間には本当に教師と生徒のような関係性があるのではないかと思えてきました」と説明した。