デヴィッド・バーン参加
スタイルはまったく違うが、三宅純もジャズという切り口では語り切れないユニークなミュージシャンだ。本来はジャズトランペッターだが、クラシックからワールドミュージックまであらゆるジャンルを取り入れ、独自の美学でコンセプチュアルな作品を作り続けている。その振り幅の大きさは、新作「ロスト・メモリー・シアター act-1」に参加したミュージシャンの顔ぶれから一目瞭然。元トーキング・ヘッズのデヴィッド・バーン、神秘的なコーラスのブルガリアン・ボイス、オペラ唱法でアバンギャルドな世界を表現するニナ・ハーゲンら、国籍もジャンルも軽々と飛び越えた音楽家が集結。まるで巨大な劇場に迷い込んだような感覚に陥る映像的な作品だ。もはやジャズではないと言われそうだが、この強烈なミクスチャーこそジャズという音楽の本質なのである。(音楽&旅ライター 栗本斉(ひとし)/SANKEI EXPRESS)