ブビエさんらボー州のワインメーカー十数人は9月上旬、PRのため日本を訪問。ホテルやレストラン関係者、輸入業者らに自慢のスイスワインを振る舞った。
「反応は上々だった」。別のワイナリーを経営するレーモン・パコさん(60)が話す。日本への輸出を狙うのは「高品質のワインを理解する洗練された消費者が数多くいるから」だと説明する。
知名度の低さが壁
来年、日本とスイスの国交樹立150周年を迎え、日本でスイスへの注目が高まることも商機と捉えられている。
人件費の高いスイスのワインは、価格では南アフリカやチリなど新興国のワインに太刀打ちできない。そのため徹底的にこだわっているのが「高い品質」だ。中国や英国など日本以外の市場への輸出を狙うメーカーもいるという。
ただ障壁となっているのがスイスワインの知名度の低さだ。ブビエさんは「日本でもあまり知られていなかった」と嘆く。関係者は海外メディアにスイスワインを取り上げてもらうべく奔走するなど知名度アップへ努力を重ねているが、効果が見えない焦りもにじむ。
「われわれはあまりに出遅れた。同じくスイスの名物で、既に世界的に知名度の高い時計やチョコレートに比べて」。パコさんが悔しそうに話した。(ビュルサン 共同/SANKEI EXPRESS)