「かば焼きのうまさを実感するなら、できたてを味わうのが一番です」。4代目、金子剛さん(62)は、こう解説する。割いたウナギを串に刺し白焼きして、蒸して脂を抜く。秘伝のタレをつけながら焼き上げたかば焼きをご飯に乗せる。浦和のかば焼きはいわゆる関東式だ。
《くし打ち3年、割き8年、焼き一生》。こんな言い回しで表されるほどかば焼きの調理は奥が深く、経験と技術が物を言う。タレは長年のつぎ足しで風味と味わいを増し、それぞれの店でしか味わえないオリジナルを形作っていく。一大事にはタレつぼを持って逃げろといわれるほど大切なものだ。
「店ごとに味とこだわりが違う。歴史の積み重ねもウナギ料理の魅力」(金子さん)。褐色に光り輝くかば焼きを白米とかき込むと、えも言われぬうまさが口一杯に広がった。
守り育てる地元文化
浦和のウナギ料理店でも、近年の仕入れ値高騰や品不足の苦悩は根深い。浦和では毎年「うなぎまつり」を開催するなど、ウナギを地元の食文化としてPRする取り組みを続けてきた。まつりは「浦和のうなぎを育てる会」に加盟する地元の店がかば焼きを実演するなど、多くの客でにぎわってきた。