業者から購入も
ターンクワチャンの集落では、長老たちが先祖から伝わるサケの捕獲や処理の仕方を子供たちに教える毎年恒例のキャンプを開催中だった。川べりで子供たちの歓声が響く中、ドリーン・グレイディ(63)がさばいたサケを薫製にする。
「この低木の葉でいぶすのが一番。2日間、じっくりとね」「2年間は常温保存できる。寒い冬にポテトと煮込むと最高よ」
しかし、楽しそうに説明する彼女が手 にしているのは、目の前のユーコン川で捕れたキングサーモンではない。近年はキャンプで使うわずかな量でさえ確保するのが難しく、今年は別の川で業者が捕獲したサケを購入した。しかも、ターンクワチャンではそりを引く犬たちの餌にしていた別の種類のサケだ。
そのことに話が及ぶと、グレイディは顔をゆがめて右手を胸に置いた。「ここが痛むの。母が祖母から、私が母から教わったことを子供たちに伝えてやれないなんて」(敬称略、共同/SANKEI EXPRESS)