絵画は腐った缶詰や即席麺などに埋もれていたという。コルネリウス氏は銀行口座も持っておらず、税務当局は「価値も知らずに、絵画を安値で売りながら細々と暮らしていた」とみている。また独検察当局は、一部の絵画について、ナチスが強奪した具体的な証拠をつかんでいるという。
「返還すべきだ」の声も
アドルフ・ヒトラー(1889~1945年)率いるナチスは、非ドイツ的な近代美術を「退廃芸術」と見なし、美術館やユダヤ人の収集家から大量の作品を没収・略奪した。
検察当局は、今回の作品の発見について、「持ち主だと名乗り出る人物が殺到する」との理由で約2年間も発表しなかった。歴史的な価値がある一方で、「持ち主の親族らを探して返還すべきだ」との声が出ており、作品の行方にも注目が集まっている。(SANKEI EXPRESS)