そこで、人間の体温では増えにくく弱毒性であるインフルエンザウイルスが開発されました。このインフルエンザウイルスは、体温より低い25度で増殖します。毎年流行するインフルエンザウイルスは表面の形がそれぞれ異なります。低い温度で増殖するウイルスを元に、表面はその年の流行の形に加工するという手法がとられました。表面の形はその年のウイルスの形をとりながら体温では増えづらい、生きたウイルスを作ることができました。生きたウイルスを含むワクチンを生ワクチンと呼びます。
生ワクチンを鼻にスプレーすると、通常通り粘膜にインフルエンザウイルス感染が起きます。感染しても弱毒ウイルスなので心配ありません。私たちの体は通常のインフルエンザ感染と同等の免疫システムを発動します。免疫システムが十分に活性化してくると、増殖できない少数のウイルスを簡単に排除します。
点鼻タイプの生ワクチンは、海外ですでに広く使われ始めています。点鼻なので、痛くありません。生ワクチンなので免疫不全がある場合、感染症に進展する危険があり注意が必要です。日本でも認可されることになれば、このタイプのワクチンが主流になっていくかもしれません。(秋葉原駅クリニック院長 大和田潔/SANKEI EXPRESS)