多摩川の流れに、サギやカワウが急に集まりだした。目の色を変えて、水に飛び込んだり水面を突いている。昨年秋の、川崎市多摩区の多摩川二ケ領宿河原堰。落ちアユの季節だった。アユの群れを鳥たちが見つけたのだろう。「メシが来た!」と猛烈な食欲でパクパク食べている。アユにとっては、せっかく秋まで無事に過ごしたのに、悪魔の群れに遭遇してしまった。小生は川岸からそれを見て、アユの無念さを思い涙ぐんでいたのだ。
それにしても新鮮でうまそうな多摩川の純国産のアユだ。解凍魚を鮮魚だなんて偽ったりしない。最近はどこもかしこも食材偽装。ホテルのレストランもデパートも、エビに代表されるように、安く仕入れたものを高い名前をつけて偽装している。大きければ車エビ、小さいものは芝エビと称する慣習が飲食業界にあるんだって。エビこそいい迷惑だ。サギが食ったら、「この詐欺師め!」と怒るだろう。ごまかしのプロであって飲食業のプロではない。そんなところでは絶対に食事してやらないし、デパートのおせち料理なんてものは、これまで買った記憶もない。いつものガード下の焼き鳥屋では、そんな偽装はないと信じているが、はて、あの店に産地などの表示があったかな。