ロウハニ師にも難題
イランに対しては国連安全保障理事会が4度の制裁決議を採択しているほか、米国や欧州連合(EU)が金融や石油産業への制裁を科している。原油輸出は現在、2012年初めの半分以下に低下、この期間の損失額は800億ドル(約8兆円)超とされる。通貨下落に伴うインフレも深刻だ。
こうした状況が、今年6月の大統領選で、制裁緩和の実現を掲げる穏健保守派のロウハニ師の当選につながった面は大きい。米国を「敵」とみるハメネイ師が、核交渉ではロウハニ師の対話路線を支持した理由もここにある。
強硬保守派が多数派の議会も、世論の後押しを受けるロウハニ政権の外交政策を見守る姿勢をおおむね維持。ラリジャニ議長は今月(11月)上旬、日本の岸田文雄外相との会談で政権を支える考えを繰り返し強調した。