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【勿忘草】森のようちえん (1/2ページ)

2013.11.25 11:45

 「これあげる!」。満面の笑みで5歳の男の子が私に勧めてくれたのは、手のひらいっぱいの見たことのない黒い実だった。彼の好意をむげにはできない。お礼を言って一粒いただき、口に入れる。少し酸味のきいたブルーベリーといった感じでおいしかった。

 森や里山など、自然に触れながら子供たちを育てる「森のようちえん」が注目されているという。取材しようと、神戸市西区の里山を訪ねた。12人の園児が集まる「神戸・野あそび舎わっこ。」は、2人の母親が3年前に始めた自主保育の団体だ。その日は保育士2人、母親2人の体制で集合場所の古民家から外へ飛び出した。まずはイモ掘り。そして、周辺の散策。子供たちはミミズを見つけても、用水路で汚れてもへっちゃら。大人たちは何も言わず見守っている。私も、その保育方針に沿おうと、目の前に虫を突きつけられても、いつものように逃げることはせず、子供たちと真剣に向き合った。そして、「謎の黒い実」も食べた。

 そのうち、自分の子供のころを思い出してきた。小学校の帰り道、ムカゴを集めたり、クワの実を食べたり。友達とは公園の沼地でザリガニを捕ったり、森の中に秘密基地を作ったり。久しぶりに小学生の自分と再会し、思わず足元のぺんぺん草を摘んで耳元で鳴らした。懐かしい、素朴な音がした。

子供が外で遊び、自然を学ぶことの意義

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