「今の子供たちは野山で遊ぶ機会がない。親が率先して遊ばせるか、保育園のような形で遊ばせるか。それしかないのです」と、岐阜大学教育学部の今村光章准教授が言った。「わっこ。」では、年長者が年少者に自然との付き合い方を教えていた。もとは大人が意図して作った場所ではあるが、年の違う子供たちが集い、かつてあった子供のコミュニティーが復活しているようだった。
森のようちえんへの関心は、東日本大震災を機に高まったという。今村准教授は「自然は人間がコントロールできるものではない」と感じた人が増え、子供が外で遊び、自然を学ぶことの意義が見直されたと指摘する。
季節ごとに、森の中や道ばたに生えた食べられる植物を見つけ、薪で煮炊きする。自然と親しむなかで、「生きる力」を育む子供たちに頼もしさを感じた。(佐々木詩/SANKEI EXPRESS)