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シャネル・ネクサス・ホールに響く真実の調べ 指揮者・大山平一郎氏と若手音楽家たちによる室内楽 (1/3ページ)

2013.11.26 16:30

3夜連続公演の最後を飾ったドボルザークの弦楽六重奏曲。左から時計回りに千葉清加、長尾春花、金子鈴太郎、辻本玲、大山平一郎、中田美穂の各氏(小原泰広氏撮影、提供写真)

3夜連続公演の最後を飾ったドボルザークの弦楽六重奏曲。左から時計回りに千葉清加、長尾春花、金子鈴太郎、辻本玲、大山平一郎、中田美穂の各氏(小原泰広氏撮影、提供写真)【拡大】

  • アーティスティックディレクターを務める指揮者でビオラ奏者の大山平一郎氏。若い演奏家の自発的な音楽に期待を寄せながら、音楽の本流を追究する(小原泰広氏撮影、提供写真)

 伝統とは終着点のない繰り返しの中から生み出された新たな真実の集積であり、過去から未来へと続く変わることのない営みの軌跡である。音楽は時間と空間の少なくとも4つの座標軸を持つ再現芸術で、生まれた瞬間に消え去りながら、彫刻のような立体感を伴って永遠の記憶を刻んでいく。

 東京・銀座のシャネル・ネクサス・ホールで11月15~17日の3日間開催された「シャネル・ピグマリオン・デイズ スペシャルコンサートシリーズ」〈指揮者 大山平一郎氏と若手音楽家たちによる室内楽〉は今年で9回目を迎えた音楽祭。内に秘めた情熱を瞳の輝きに映し出す若い才能が集い、夜のとばりが降り、街路樹を彩る明かりが鮮やかさを加える頃に開演するステージでは、それぞれの胸にわき起こる感興を互いに響き合わせて、うねるような熱気が会場を包み込む。

 大河の流れを思わせる音楽史の中で一際の輝きを放つよりすぐりの名作と向き合い、偉大な芸術家の事績を丹念にたどりながら今この一瞬にしか生まれない調べを紡いで、五線譜の奥底にある真実が新たな光で照らし出されていく。

 「取り上げる作品は、すべて古典あるいは古典の基盤に立脚しています。音楽は偉大な先人たちの精神を受け継ぎ、時代の空気を織り込みながら新たな価値を加え、現在へと一続きにつながっています。楽譜に書き込まれているものは時代とともに複雑になっていますが、根底にあるものをきちんと見極め、意味を読み取って、今を生きる私たちの心を動かすものとしなければなりません」

音楽の本流とは受け継がれるべきもの

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