2003年に福岡県北九州市で結成された男性3人組は、07年の1stミニアルバムのリリース以来、変拍子やプログレッシブな楽曲の展開まで取り入れて、独自の世界観を描き続けているロックバンドだ。ボーカル波多野裕文のイノセントでクリアな響きを持つ甘い声と、なぞれるようなメロディーラインで聴く者を引き付ける。
前作から1年というタイミングで新作がリリースになった。CDプレーヤー、PCに入れて表示を見た人は驚いたであろう。70分を超えるこの作品、「1曲」と表示されるのだ。驚くことに曲数に換算すると21曲分とその曲間の無音までそのままつながっている。収録時間70分は最近の平均的なアルバムの中ではむしろ長い方だと思う。
波多野のアイデアであるこの「21曲分1トラック」だが、本人は「単純な思い付きだが、曲順、発売方法を作品にとって最もふさわしい形にしようと考えた結果」という。それがもたらすわれわれリスナーの反響も想定していたそうだ。