そこで、国連WFPは台風直後、被災地に情報通信技術の専門家を派遣した。タクロバンの市庁舎、空港、スタジアムをはじめ、5都市10カ所に通信拠点を設置。アンテナを立てて通信網を整備し、他の支援機関にも提供している。
また、多くの建物が倒壊した現地では、支援物資が届いても一時保管したり、管理する場所がない。そこで国連WFPでは物流専門家が被災地に入り、可動式の大型テントを設置した。テントといっても過酷な気象条件に耐える大変頑丈なものだ。実はこの大型テントは、東日本大震災の被災地でも活躍。石巻市や陸前高田市、南三陸町など17自治体に計45張を設置した。これは、支援物資の一時保管に使われただけでなく、仮設商店街やボランティアの集会場などとしても利用された。
今回、セブ島、タクロバンなど5カ所に大型テントを建てて、物流拠点を構築した。同時に、陸・海・空のあらゆる輸送ルートを整備。飛行機や大型貨物船などを調達し、他の支援機関の物資も混載して被災地に物資を続々と届けている。