中国は12月2日午前1時半(日本時間2日午前2時半)、四川省の西昌衛星発射センターから無人月探査機「嫦娥3号」を打ち上げた。中国国営新華社通信が伝えた。今月(12月)中旬にも月面に着陸させる計画で、成功すれば米国、旧ソ連に続き3カ国目となる。搭載された探査車「玉兎」で、月の地形や地質の調査に加え、地下の鉱物資源探査も行う。中国の宇宙開発をめぐっては、「軍事目的」との疑念が消えないうえ、新たに「月での資源権益の確保を狙っている」との指摘が出ている。
「エネルギーの源泉」
「長征3号B」ロケットに載せて打ち上げられた無人探査機は、飛行が順調なら6日には月付近に到達する。着陸地点は、「虹の入り江」と呼ばれる平坦(へいたん)なクレーターが予定されている。
月にウサギが住むという伝説から命名された玉兎は、6輪車で重量は約140キロ。太陽電池などを動力源とし時速200メートルで走行する。