アンコールを含め3部に分かれ、1部では緻密な音響を構築するトム&ナイジェルと、ダイナミクスの塊のごときリズム隊との対比が際立ったが、2部では「Reverse Running」を筆頭に各自が独自の解釈を加えるかのように、リラックスした表情を見せながら演奏していたのが印象的だった。映像化を切望するほど、傑出したライブを堪能することができた。(音楽ジャーナリスト 伊藤なつみ/SANKEI EXPRESS)
■Atoms For Peace 2009年、トム・ヨーク(Vo,G,Key)を中心に結成。フリー(B)、ジョーイ・ワロンカー(D)、レディオヘッドやトムのソロを手掛けた盟友ナイジェル・ゴドリッチ(Prod,G,Syn,Prog)、マウロ・レフォスコ(Per)。ライブではトムのソロや参加曲、レディオヘッドの曲も交え、全16曲演奏。それぞれが能力を余すところなく発揮し、CDとは違った立体的なサウンドで圧倒した。