生まれたての赤ちゃんは母親に対して秘密などないが、物心がつけば、誰にでも秘密ができる。それらの秘密を互いに尊重することで、快適な生活をおくることができる。利害が対立する国家間でも同じであり、諜報活動によって少し複雑になるだけだ。
問題は、何が秘密とされるべき情報なのか、指定基準が明確になっていて、その情報を後世の人たちが知ることを保障され、誤りがあれば正し、より賢明な社会運営に生かしていける仕組みの設計が必要だということである。
米国では「UNCLASSIFIED(秘密指定解除)」とのスタンプが押された膨大な文書が、ワシントン郊外のメリーランドにある「NARA(国立公文書館)」などで公開され、外国人も閲覧できる。そのことが、米国政治のある意味での強さになっている。
日本でも秘密指定文書が42万件もあることを政府が認めている。数だけでは日本のそれは米国よりはるかに少ないが、今回の法案審議で森雅子担当大臣が特定秘密の事例として挙げた沖縄返還時の軍用土地協定交渉などは、すでに米国で公開されており、日本の指定解除による情報公開レベルは米国に劣る。